小学校受験では『お話の記憶』という分類の問題が多くの学校で出題されます。
これはお話が音声で流され、それを聞き終わった後でそのお話に関する問題が出されます。
これが結構難しく、大人でもちゃんと聞いて「記憶しよう」という意識がないと解けないような内容だったりします。
昔話のようなファンタジックな内容ではなく、日ごろ子供たちが体験しているであろう日常のお話となっているので、淡々としていてインパクトがない分覚えにくいのです。
例えば「犬さんと猫さんとキツネさんが公園で遊んでいました・・・」といった普通の内容です。
ややこしいのは「犬さんが黄色のスコップ、猫さんが緑のスコップ、キツネさんが赤のスコップで砂遊びをしています。猫さんは山を作り、犬さんはトンネルを掘り、キツネさんが道路をつくりました。」
「さて問題です。犬さんは何色のスコップでしたか?キツネさんは砂場で何を作りましたか?」
なんて言われた日には、大人だって「はて?なんだったかしら?」ということになります。
実際の問題ではこのような一文が長い文章の中にさらっと出てきて、他にも覚えなければいけないような箇所が随所にちりばめられたお話となっていますので、ある程度の訓練が必要となります。
先日我が家の長男うさお君がわかぎり21の国立模試を受けてきました。
毎回待ち時間で保護者向けに試験のポイントやどのように勉強していったらいいかといったアドバイスをいただけるので、その時の話や我が家で実践している『お話の記憶』対策を書いてみたいと思います。
『お話の記憶』のポイント
わかぎり21で先生が説明してくださった『お話の記憶』のポイントは以下の4つです。
①語彙力
本の読み聞かせを沢山する。
自身も沢山本を読むこと。
小学1年生レベルの本を読むとなおよいとのことでした。
語彙力がないと内容自体理解できない場合があります。
②再現力
聞いた話を自分の頭の中で映像にする力です。
この力をつけるには、子供にお題を出して絵にしてもらう方法がよいとのことです。
例えば「ジャングルでおさるさんが木にぶら下がって、おいしそうにバナナを食べているところを書いてみて」などです。
絵の特訓にもなるし一石二鳥の訓練ですね。
③集中力
多くの学校で、この『お話の記憶』は試験の一番始めに行われるそうです。
多少周りがざわざわしていたり、まだ子供がその場に慣れていなくても、問答無用で始まります。
そんな時でもお話が始まったら、ぱっと集中して話に耳を傾けなければなりません。
特に筑波大学付属小学校などでは、始まる前にわざと場を盛り上げて笑いを取るそうです。
先生「今日何でここまで来たの?電車で来た人~?走って来た人~?ロケットで来た人~?」
子供たち「あははははははは(笑)」
先生「では始めます。」
と言った感じだそうです。
恐ろしいですね~・・・
お話が始まっても「ロケットで来る人って・・・(ぷふふふ)」何ていつまでもそんなことを考えているようでは、気づいたときにはお話は終わってしまっています。
でも子供ってこういうことを引きずりがちですよね。
我が家でも『お話の記憶』の問題に取り組む前に、このような罠を仕掛けてみようと思います。
④経験
前述しましたが、お話は魔法が出てくるようなファンタジックな内容ではなく、ごく普通の日常をえがいた内容になっています。
ピクニックに行ったお話や、公園で遊んでいるお話などです。
公園に行ったときは遊具の名前を教えたり、外を歩いているとき咲いている花や木の様子から季節を教えたり、日常のすべてが子どもの大事な勉強になります。
お話の内容から季節を読み取って「同じ季節のものに〇をつけてください」と言ったような季節を絡ませる問題も多く出題されていますので、季節の移り変わりを実物を見て説明するとイメージしやすくなると思います。
各学校の難易度
冒頭で前述したような、それぞれの動物とスコップの色を対比させて覚えるような問題が多く出題されるようですが、学校によってこの難易度が上がります。
今回受けた模試では2対2で覚えるものでしたが・・・
筑波大学付属小学校のAグループ(4月~7月産まれ)は5対5。
Bグループ(8月~11月産まれ)Cグループ(12月~3月産まれ)は4対4。
東京学芸大学付属大泉小学校では3対3。
と言ったように難易度が違うようなので、受験する学校のレベルにあったものをできるようにしておく必要があります。
我が家で実践中の『お話の記憶』対策
このシリーズは初級、中級、上級編とあるので、我が家は上級編を購入しました。
筑波のAグループを受験する為、上級ができるようにならなければ・・・と思い購入しました。
始めは初級から購入し、段々レベルを上げていくのもいいかもしれませんね。
これは夜寝る前の練習も兼ねた読み聞かせ用に購入しました。
こちらは世界の童話や昔話が一ページに収まる程度に要約されて載せてあり、最後に「主人公の名前は何でしたか」等口頭で答えさせるような問題が載っています。
こちらの本は『お話の記憶』のあまり実践的な内容ではありません。
よく聞く訓練になりますが、受験問題のように記憶するのにややこしい内容ではないからです。
より実践を視野に入れた読み聞かせの本はこちらがいいかもしれないですね。
今後こちらも購入予定です。
因みに我が家では「全問正解したら、 耳くりくりしてあげる」なんてちょっとしたご褒美をつけてゲーム感覚でやっています。
子供も「よ~し!」なんて気合を入れて聞いてくれるので、楽しくやれていると思います。
まとめ
- 語彙力(本を沢山読むこと)
- 再現力(頭の中で場面を映像化する力をつけること)
- 集中力(お話が始まったらすぐ集中すること)
- 経験(日常の経験を大切にすること)
我が家がそうだったのですが、子供は最初この『お話の記憶』がにがてでした。
しかし問題を解いていく内にどういったところが出題されやすいかなど、ポイントを押さえて記憶できるようになってきましたので、ある程度訓練することで点数は取れるようになると思います。
しかし何よりも、日ごろの本の読み聞かせや、読書の習慣など、毎日の積み重ねが最後にものをいう科目かもしれません。
小学校受験は親次第ってことですね。
もし子供が落ちたときは、私の読み聞かせが足りなかったってことで・・・その時はごめんね、うさお君・・・。